神奈川県行政書士会では、毎週金曜日(13:30~16:30)に、外国人の方向けにビザに関する無料電話相談を行っています。
私は、今年度から相談員としてこの電話相談に参加させていただきました。
普段から相談内容は多岐に渡っているので、ある程度覚悟し、事前準備のうえ臨んだのですが、相談内容もそれぞれ複雑で、簡単には答えられないような相談もあります。

例えば、「在留特別許可」については、法務省入国管理局からガイドラインも出ており、”積極要素と消極要素を個別に評価し、その程度を勘案した上で、積極要素が消極要素を上回る場合には在留特別許可の方向で検討する”とあり、まさに法務大臣の自由裁量に任されているところになります。また、在留特別許可に関する処分についてその判断基準や処分の理由を明示しないことは、自由裁量権の濫用とは言えないと判示されています。
そのため、在留資格特別許可の取得可能性を見極めるためには、その案件に近似のものが入国管理局発表の事例にあるかどうかを調べるとともに、このガイドラインの積極・消極要素について検討することになり、安易には答えられません。

ご相談者は藁をもすがる気持ちで1本の電話を架けてこられています。
限られた時間の中で、重要事項を聴き取り、的確な回答(或いは対応)をすることは非常に難しいですが、電話をして良かったと、霧が晴れた気持ちになっていただけるような電話対応を心掛けたいと改めて思いました。